2008/07/15

授業紹介~オヤジたちの国際貢献           地雷・不発弾処理

NPO法人日本地雷処理を支援する会
鈴木昭二先生(JMAS元不発弾処理専門家)
3時間目 講座№309

そういえば今年の5月、都内調布市で不発弾の処理作業が実施され、付近の住民1万6000人が避難したというニュースがありました。
60年以上前に使われた、たった一つの爆弾の処理のために、こんなに大きなさわぎになるのですね。
しかしカンボジアやアフガニスタンでは不発弾や地雷の犠牲者が今でも後を絶たないそうです。
そして何十万という数の不発弾や地雷を取り除いている人たちがいます。

外国のことなんかどうでもいいや、という考えもあるでしょう。
政府がうまくやってくれるから任せておけばいい。
私はそんなふうに思ってました。
でもね、人の命は大切だってことをこども達にわかってほしいなら、さけて通れないテーマではないかと思ったりします。

最近、病院関係のドラマが流行ってて、ケガや病気を治す仕事はかっこいいなあ、なんて思ったりしますが、でも一番エラい人というのは、人がケガしたり病気にならないように努力している人ではないかと思うのです。
戦争のために作られてしまった地雷や不発弾を一つずつ取り除くということは、誰か知らない他人の<未来の不幸>を取り除くということなんですよね。
とても地味だし、感謝されにくいことかもしれないけれど、とっても意義の深い仕事なのだと思います。
そういう仕事を、私たちと同じNPO組織として行っている人たちがこの国にもいたことを、私は知りませんでした。

<すごいなあ>みたいな他人事の感想ではなくて、実際に自分が地雷や不発弾という現実の存在に向き合って考えてみることが、とても大事なことだと思います。
自分自身で地雷を除去したいという気持ちにはなれないし、自分の家族が地雷を除去をすると言い出したら、私は止めるかもしれません。
でも誰かがやらなければならないし、誰もが考えておかなければならない現実がそこにあります。

この講座では、お話の他に地雷や不発弾の現物を見たり、処理する時の防護服を実際に着たりすることが出来るそうです。
探知機を使って、隠れている地雷を探す体験もあります。
つまり、座学ではなく、体験型授業になります。
<自分が見たいものだけを見ていたら大人になれないよ>
私はそう思うので、たくさんあるナツガクの講座の中でも特にこの講座をこども達におすすめしたいです。

誰の人生にも<地雷>があると思います。
気がつかないでふんづけて、そして傷ついたり痛い目にあったりします。
それが現実なんだと。他人事ではないのだと。
そんなことやらいろいろなことを考えていただくきっかけにしてほしいと思います。
子供達に見たいものだけを見せるのなら<次世代育成>ではなくなりますからね。


きょういく応援団 ひの

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